新車を購入したとき、誰もが喜びとともに期待を胸にします。
しかし、ふと気づくと「え、新車に傷が！？」という事態が起こることも。
車に傷がついているのを見つけると、最初の反応は驚きとショックですよね。
「この傷、ディーラーにクレームを入れるべきか？それとも気にしない方がいいのか？」と悩む方も少なくありません。
新車は高額な買い物ですし、長くきれいに乗りたいと思うのは当然のことです。
しかし、傷の大きさや場所、車の使用状況によっては、気にしすぎずに済ませた方が良い場合もあります。
このような判断をどうすればいいのか、この記事では「クレームを入れるべきか」「気にしないべきか」を判断する基準について解説していきます。
新車に傷があった場合はクレームを入れるべき？
新車を購入し傷を見つけた場合、すぐにクレームを入れたくなる気持ちは理解できますが、まずは冷静になることが重要です。
最初に、その傷が自分でつけたものなのか、納車時点で既にあったものなのかを再度考えましょう。
納車時にはディーラーと一緒に車両の状態をチェックする機会がありますが、その際に見逃していた可能性もあります。
傷がいつついたのかを慎重に確認し、記録が残っていればそれを参考にすることも有効です。
納車直後であれば、ディーラーに連絡し、状況を説明したうえで、適切な対応を求めることが大切です。
まずは証拠を確認することが大切で、しっかりと調べたうえで対応するようにしましょう。
クレームを入れるべきケースとは
新車に明らかな製造ミスや納車前に発生したと思われる傷がある場合、クレームを入れるべきです。
例えば、塗装の不具合や明らかに工場出荷時の作業ミスによる傷が確認された場合、これはディーラーやメーカーの責任である可能性が高いです。
また、納車時に傷がついていたにもかかわらず、納車前のチェックで見逃されていた場合も、ディーラー側に報告し修理や交換の対応を求めることが適切です。
このようなケースでは、速やかに写真などの証拠を添えてディーラーに連絡し、修理や補償を求めることが可能です。
新車は高額な買い物ですので、正当な権利として、気になる傷があれば積極的に対応してもらいましょう。
自分で傷を付けたか不明な場合でも相談する
傷がついていることに気づいた際、自分でつけたのか納車時からあったのか分からない場合でも、まずはディーラーに相談してみましょう。
このとき、強いクレームではなく丁寧な態度で相談することが重要です。
「すみません、少し傷がついているみたいなので、一度見ていただけますか？」といった形で、確認を依頼するのが良いでしょう。
クレームを避けることで、ディーラー側も快く対応してくれることが多く、円滑に解決できる場合があります。
無理に責任を追及するのではなく、あくまで状況を確認したいというスタンスで接することで、気持ちよく対応してもらえる可能性が高まります。
基本的に何らかの対処をしてくれることが多い
新車が納車された後で、たとえ自分でつけた傷かもしれないとしても、ディーラーに相談すれば何らかの対処をしてくれることが多いです。
特に納車から間もない期間であれば、軽微な傷や塗装の不具合であっても、無償で補修してもらえるケースがあります。
小さな擦り傷や飛び石によるダメージなどは、塗装を施して修復してくれることもあるのです。
もちろん、すべてのケースで無償対応が保証されるわけではありませんので、場合によっては断られることもあります。
しかし、一般的には購入してすぐの車であれば、ディーラー側も信頼関係を重視して柔軟に対応してくれることが多いです。
新車に傷があることは意外と多い
新車を購入すると、誰しも完璧な状態を期待しますが、実際には新車でも細かい傷がついていることが結構あります。
車は組み立てられてから輸送され、ディーラーに到着するまでにさまざまな工程を経るため、その過程で小さな傷がついてしまうことが少なくありません。
ディーラー側も納車前に車両のチェックを行っていますが、細部まで確認しきれず、特に目立たない箇所の傷が見落とされることもあります。
また、塗装のわずかな不備や、部品の取り付け時に生じる小さな傷が気になる場合もあります。
よって、新車でも完全に傷のない状態を維持するのは難しいことも覚えておきましょう。
気にしないという選択がおすすめのケース
あまり些細なことにこだわりたくない方や、ディーラーとの関係を良好に保ちたいと考えている方には、多少の傷を気にしないという判断も有効です。
意外にも「クレーマーに思われたくない」と考える方も少なくありません。
以下のようなケースは気にしないという判断をしてもいいかもしれませんが、それでも気になるのであればディーラーへ相談することをお勧めします。
小さな傷や使用中に自然に生じる傷
新車を購入すると、やはり「大切にしたい！」という気持ちが先行してしまい、どうしても細かい傷に目がいってしまいます。
しかし、小さな傷や使用中に自然に生じるような傷については、あまり気にしないという選択肢もありでしょう。
日常的に車を使用していると、どれだけ丁寧に扱っても飛び石や砂利、駐車場でのドアの開け閉めなどで、小さな傷がつくことは避けられません。
こういった傷は特に目立たないことも多く、時間が経つと気にならなくなることがほとんどです。
また、軽微な傷は車の美観に大きな影響を与えません。
傷のたびにストレスを感じるより、車を日常の道具として楽しむ姿勢を持つことで、よりリラックスしたカーライフを送ることができるでしょう。
購入後時間が経過している車
新車を購入してから4～5ヵ月ほど経過すると「まだ新車と呼べるのか？」と感じることがあります。
この時点で、日常の使用や環境の影響によって、細かい傷がついてくることは避けられません。
このように新車購入から数か月が経過した後の傷は、もし初期不良だとしても、販売店側からは初期不良と認められない可能性があります。
そして、こうした軽微な傷は車の使用状況によって自然に生じるものであり、気にしすぎる必要はない場合が多いです。
特に、毎日の通勤や買い物で車を使っていると、どれだけ丁寧に扱っていても、細かな擦り傷や飛び石によるダメージは蓄積されていきます。
このような傷が車の性能に影響を与えることはほとんどなく、外観上の問題も軽度であれば気にならなくなることもあります。
新車の納車後の傷のトラブルを避ける為のポイント
納車時にディーラー担当者と一緒に確認する
新車を受け取る際に、トラブルを避けるための大切なポイントは、納車時にディーラーの担当者と一緒に車を確認することです。
今では納車時に一緒に確認をしてくれるようなディーラーも多くなっています。
納車された時点で、車の外観や内装に傷や不具合がないかをしっかりチェックすることが重要です。
この段階で確認することで、もし傷が見つかった場合でも、すぐに対応してもらうことができます。
ディーラーの担当者と一緒に確認することで、どちらが責任を負うべきかが明確になり、後から「この傷は納車時のものだったのか？」というトラブルを避けることができます。
納車時の確認は時間をかけて行い、焦らず細かい部分までしっかりとチェックすることが重要です。
傷があった場合は早く販売店へ伝える
納車後に新車に傷があることに気づいた場合、早めに販売店へ伝えることが大切です。
納車直後であれば、ディーラー側も柔軟に対応してくれることが多いですが、時間が経ってから報告するのは避けましょう。
時間が大きく経過することで、どの時点で傷がついたのかが曖昧になり、対応が難しくなることがあります。
特に、納車後半年以上など、大きく経過してしまうと、傷が自分でつけた可能性があるとみなされることが多く、修理や補償の対象外になるケースも少なくありません。
そのため、傷を見つけたらできるだけ早くディーラーに連絡し、対処してもらうようにしましょう。
早めの対応が、無用なトラブルを避けるための最善策です。
傷がつきやすい箇所を入念に調べる
車の状態確認をする時におすすめのチェック方法としては、傷がつきやすい箇所を特に入念に確認することが重要です。
例えば、ドアやバンパー、フェンダー、ボンネットといった部分は、納車前の輸送中や保管中に傷がつきやすい場所です。
特にドア周辺は、駐車場などで他の車との接触や、開閉の際にぶつけやすい箇所でもあります。
また、バンパーやフェンダーは、車を動かす際に傷つきやすいため、慎重に確認する必要があります。
納車時にこれらの部分をディーラー担当者と一緒にチェックし、異常がないか確認しておけば、後々のトラブルを避けることができるでしょう。
もちろん、外側だけではなく車内もチェックしておくといいでしょう。
細かい部分まで注意深く調べることが、安心して新車を楽しむためのポイントです。
契約書や保証内容を再確認する
基本的なトラブルを避けるためには、まず契約書や保証内容を再確認することが重要です。
購入時に交わした契約書には、納車後の対応や保証範囲が明記されていることが多く、傷や不具合が見つかった際にどのように対処できるのかが記されています。
また、保証内容には、どのような場合に修理や補償が適用されるかが示されているため、自分がどの範囲まで補償を受けられるのかを確認することが大切です。
新車保証の期間や条件は、車種や販売店によって異なることがあります。
よって、何か問題があった場合に備えて、事前に細かく確認しておくことが、後々のトラブルを避けるための有効な手段となります。
新車の傷を防ぐための予防策
コーティングの重要性を理解する
有効な予防策の一つにコーティングがあります。
車の塗装面にコーティングを施すことで、外的要因からのダメージを軽減し、細かな傷がつくのを防ぎやすくなります。
特に、日常的な走行中に発生する飛び石や砂利、洗車時の細かい擦れなどによる傷を防ぐ効果が期待できます。
また、コーティングは光沢感を保つ効果もあり、新車の美しい外観を長期間維持するのに役立ちます。
ガラスコーティングやポリマーコーティングなど、さまざまな種類があるため、予算や車の使用状況に応じて適切なものを選ぶと良いでしょう。
コーティングを施すことで、車の外装を保護し、傷のリスクを大幅に減らすことが可能です。
駐車環境の改善をする
新車の傷を防ぐためには、駐車環境を見直すことも重要です。
狭い駐車場や他の車との距離が近い場所に駐車すると、ドアの開閉時に隣の車と接触しやすくなり傷がつく原因となります。
また、屋外駐車の場合、鳥のフンや樹液、強風で飛んでくるゴミや小石などで車にダメージを与える可能性があります。
できるだけ広いスペースに駐車することや、屋根付きの駐車場を選ぶことが、新車の外観を長く美しく保つための大切なポイントです。
さらに、自宅に車を停める場合も、カーポートやガレージの利用を検討し、車を傷から守る環境を整えることが効果的です。
駐車環境を改善することで、新車を傷から守り、トラブルを未然に防ぐことができます。
ウォレットチェーンなど気を付ける
新車のボディに傷をつけないためには、普段のちょっとした動作にも気を配ることが大切です。
特に、ウォレットチェーンやキーリングなど、硬い金属製のアクセサリーが衣類に付いている場合、それらが車に接触して傷をつけることがあります。
ドアの開閉時や車に乗り降りする際、無意識のうちにボディやドアパネルに金属が当たってしまい、細かな傷がつく原因となります。
こうした小さな傷は蓄積すると目立つようになり、車全体の美観を損なうことがあります。
ウォレットチェーンやアクセサリーを使用する場合は、車に乗る前に一度確認し、車に当たらないようにするなどの対策を心がけることで、新車の状態を保つことができます。
新車のトラブルに関するよくある疑問
傷があった場合は無償で直してくれる？
新車を購入した際に、もし納車後に傷を発見した場合、無償で直してもらえるのか気になるところです。
しかし、一般的に新車に対する保証は車の機能や性能に関する部分が中心であり、傷に関しては保証の対象外とされることが多いです。
特に、納車後にしばらく時間が経ってから発見された傷については、購入者がつけた可能性も考慮されるため、ディーラー側も無償での修理対応を行うことは少ないです。
ただし、納車時にすでにあった明らかな傷や製造過程で生じた不具合と認められる場合には、無償で対応してくれることもあります。
購入時にはしっかりと車両の状態を確認し、早期に気づいた場合は迅速にディーラーに連絡することが大切です。
しっかりと対処してくれない場合
例えこちら側に落ち度がない場合でも、ディーラーが適切に対処してくれない場合も考えられます。
こうしたケースでは、購入者としては非常に困惑しますが、最初に冷静にディーラーと話し合うことが大切です。
多くの場合、ディーラー側は誠実に対応してくれるはずですが、もし納得できない対応が続く場合、損害賠償請求を検討することも一つの手段です。
ただし、実際に損害賠償を請求するには、傷が発生した原因がディーラー側に明確にあると証明する必要がありますので、証明できるものがないと現実には厳しいでしょう。
また、法的手続きに進む前に、まずは第三者機関や消費者センターに相談してみるのも有効な方法です。
直接的な法的対処は最終手段として慎重に進めるべきでしょう。
傷がひどい場合は返品や交換が可能？
明らかにひどい傷がある場合、返品や交換を希望するかもしれませんが、基本的に新車の返品や交換は非常に難しいです。
日本の法律では、新車購入にクーリングオフ制度が適用されないため、購入後に発見された傷による返品や交換はディーラー側が認めない限り不可能です。
通常、傷が発見された場合は修理対応が基本となり、車を交換してもらえるケースはほとんどありません。
ただし、納車前からの大きな損傷や明らかな製造不良があれば、特別な措置として交換が検討されることもありますが、これは非常に稀です。
購入前の車両確認や納車時のチェックが、新車トラブルを避けるための最善策となります。
重大な過失がある時のみ返品できる
上記のように軽微な不具合があるだけでは返品は難しいですが、重大な過失があった場合は、例外的に返品が可能となることがあります。
たとえば、車両に構造上の重大な欠陥や、安全性に直結するような大きな問題が納車時に発覚した場合、ディーラーやメーカーの責任が問われ、返品や交換を求めることができる場合があります。
しかし、これらのケースは非常に稀であり、車体の傷や細かな不具合については、基本的に修理対応が一般的です。
返品を希望する際には、ディーラーに相談し、問題の重大性を確認したうえで、正当な理由がある場合にのみ返品が認められる可能性があると考えておくとよいでしょう。
新車に傷！まとめ
新車に傷が見つかった場合、まずは冷静にその傷が納車時からあったのか、自分でつけたのかを確認することが重要です。
納車時にディーラーと一緒にしっかり確認することで、後のトラブルを避けることができます。
もし傷を発見したら、できるだけ早くディーラーに報告し、対処を依頼しましょう。
軽微な傷や日常使用で自然にできる傷は気にしない選択もありますが、重大な過失がある場合は、返品や修理を求めることが可能です。
さらに、コーティングや駐車環境を見直すことで、将来的な傷を防ぐ予防策を講じることも大切です。
新車の美観を守りつつ、適切な対応で快適なカーライフを楽しみましょう。
