新車を購入したばかりの喜びは大きいですが、その際にブレーキから鳴き音が聞こえてくると不安になりますよね。
ブレーキ鳴きというのは独特な高音がして、場合によっては運転中気分が悪くなることもあるでしょう。
もちろん、ブレーキ鳴きにはいくつかの原因があり、必ずしも故障を意味するわけではありません。
本記事では、新車でのブレーキ鳴きの原因や対処法、さらにどのような場合に対処が必要かを詳しく解説していきます。
新車のブレーキ鳴きは何が原因なのか?
新車のブレーキから鳴き音がすることがありますが、基本的にこれは問題のない場合が多いです。
ブレーキ鳴きはブレーキパッドとディスクローターの接触によって発生する振動が音に変わることから生じます。
この音は、新車において特に走行初期やブレーキがまだ慣れていない時期に発生しやすいと言われています。
シーン別の原因について
乗り始めに音が鳴る
ブレーキ鳴きが乗り始めに発生するのは、ブレーキが冷えているためによる一般的な症状です。
特に夜間や朝など、車が冷えた状態で走り出すときに音が鳴りやすくなります。
このような状況では、ブレーキパッドとディスクローターの間に湿気や結露が残っていることが多く、これが音の原因となることがあります。
音が鳴ること自体は珍しいことではなく、一時的なものとして解消されるケースも多いです。
しかし、長時間運転を続けても音が止まらない場合は、何らかの問題が隠れている可能性があるため、早めに点検を受けることが重要です。
また、パッドとローターの接触面が適切でない場合、鳴き音が生じ続けることもあります。
こうした異常は、安全性に直接影響する可能性があるため、放置せずに専門家の点検を受けることが大切です。
軽くブレーキを踏む時
軽くブレーキを踏んだ際に発生するブレーキ鳴きは、ブレーキパッドとディスクローターの接触振動によるものです。
この音は摩擦が少ない状況で発生しやすく、振動が共鳴して音として聞こえます。
逆にブレーキを強く踏んだ場合には鳴らないことが多く、その場合は特に大きな問題はありません。
軽いブレーキ時には振動が音として響きやすいので、このような音が発生することがあります。
また、この現象は特にブレーキパッドの材質や表面状態、さらには周囲の温度や湿度などの環境条件によっても影響を受けることがあります。
そのため、一部の車両では特定の気象条件や走行環境においてブレーキ鳴きが起こりやすくなります。
こうした音が気になる場合には、適切なメンテナンスを検討することも有効です。
雨の日に音が鳴る
雨の日や洗車後にブレーキ鳴きが発生することがありますが、これはブレーキパッドやディスクローターが冷えた状態で湿気により錆が発生し、音が出ることが原因です。
特に雨の日や湿気が多い季節には、ブレーキ部品に水分が付着し、錆が発生しやすくなります。
この錆がブレーキパッドとローターの間に挟まり、走行時に異音として感じられることが多いです。
湿度が高い状態ではブレーキ鳴きが発生しやすいですが、これも一時的なものであり、通常は走行を続けることで錆が取れて音が止まることが多いです。
また、ブレーキを数回強めに踏むことで錆が削れ、音が軽減される場合もあります。
こうした鳴き音は基本的に一時的なものであり、安全性に影響を及ぼさないケースがほとんどです。
但し、もし長時間続く場合や異常な音と感じた場合には、早めに点検を受けることをお勧めします。
ブレーキ鳴きを放置するのは良くない?
このように、新車のブレーキ鳴きは問題のないケースが多いですが、ブレーキは重要な部品です。
安全性に関わる部分ですので、鳴き音が気になる場合はしっかりと対処する必要があるでしょう。
もちろん、専門知識を身に着けているのであればご自身で勝手に決めても問題ありません。
しかし、知識がないのであれば安全面を考慮し、専門家に診てもらうのが安心です。
また、ブレーキ鳴きが何度も繰り返される場合や、異常な振動を感じる場合には、ブレーキパッドの摩耗やキャリパーの不具合などが原因であることも考えられるため、迅速な対応が求められます。
安全運転を維持するためにも、少しでも異常を感じたら専門家に相談し、点検を受けることが非常に大切です。
新車以外の車で考えられる原因
パッドの消耗によるもの
新車ではない車の場合、ブレーキ鳴きの原因として考えられるのがブレーキパッドの消耗です。
ブレーキパッドは走行を重ねるごとに徐々に摩耗していき、最終的には一定の厚さ以下になると交換が必要になります。
パッドが摩耗してくると、パッドウェアインジケーターと呼ばれる金属片がローターに接触し、音が鳴ることで交換時期を知らせます。
この警告音は、摩耗が進行していることを示しており、無視するとブレーキ性能が低下し、最終的にはディスクローター自体にも損傷を与える可能性があります。
そのため、この場合は早急にパッドを交換する必要があります。定期的な点検を行うことで、ブレーキパッドの摩耗状態を把握し、適切な時期に交換することが重要です。
さらに、適切なメンテナンスを行うことで、ブレーキの性能を最大限に発揮し、安心・安全なドライブを続けることができます。
ディスクローターの劣化
ブレーキディスクローターが劣化している場合も、ブレーキ鳴きが発生することがあります。
ディスクローターは走行距離に応じて少しずつ摩耗していき、ローターの表面が摩耗や熱による変形を起こすと、ブレーキパッドとの接触が不均一になり、鳴き音が発生する原因となります。
また、ローターに深い溝ができてしまったり、摩耗が進んで薄くなるとパッドとの接触面積が不均一になり、ブレーキ鳴きがさらに悪化する可能性があります。
このような状態が続くと、制動力も低下しブレーキの効きが悪くなるため、非常に危険です。
ローターが劣化している場合は早めに交換することが重要で、必要に応じて専門の整備工場で診断を受けることをお勧めします。
また、ローターの状態を日頃よりチェックすることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができ、より安全な運転環境を維持することができます。
新車でブレーキ鳴きが発生!どうやって止める?
購入したディーラーで診てもらう
新車のブレーキ鳴きが気になる場合は、まず購入したディーラーで診てもらうことをお勧めします。
ディーラーでの点検は非常に重要であり、プロの整備士が詳しく車両をチェックし、鳴き音の原因を特定してくれます。
必要に応じて、微調整やブレーキパッド、ディスクローターなどの部品交換を行ってもらえるので、早期に問題を解決することが可能です。
さらに、保証期間中であれば、無償で対応してもらえることが多いので、経済的な負担を軽減することもできます。
また、定期的に点検を受けることは車の性能を最大限に引き出すだけでなく、安心して運転を楽しむためにも欠かせません。
ディーラーの整備士は、最新の技術と知識を持っており、特に新車のようなデリケートな状態の車に対して適切なケアを提供できます。
どんな些細な異音であっても気になった場合には、専門家に相談することが安心であり、結果的に車の寿命を延ばすことにも繋がります。
専用のグリスを活用する
市販されている専用のブレーキグリスを使用することで、ブレーキ鳴きを軽減できる場合もあります。
ブレーキ鳴きは摩擦部分から発生することが多く、この専用グリスを塗布することで摩擦が適切にコントロールされ、鳴き音が抑えられます。
このグリスはブレーキパッドとキャリパーの接触部分に塗布することで、摩擦を抑え鳴き音の発生を防ぎます。
カー用品店などで購入できるので、手軽に試してみることができます。
また、使用する際には製品の説明書に従って正確に塗布することが大切です。
適切に塗布されていない場合、十分な効果が得られないこともあるため、必要に応じて整備士に相談して塗布を依頼するのも良いでしょう。
ブレーキグリスは、摩耗を抑えブレーキの持続性を向上させる効果もあり、結果的にブレーキシステム全体の寿命を延ばすことに寄与することがあります。
さらに、グリスを用いることで、ブレーキの操作感が向上し、静かでスムーズな運転が可能になります。
面取りをする
ブレーキパッドの「面取り」を行うことで、鳴き音を軽減することができます。
面取りとは、パッドの角を削って丸くすることで、接触時の振動を減少させる方法です。
この処理を行うことで、ブレーキパッドとディスクローターの接触が滑らかになり、振動が発生しにくくなり鳴き音が気になる場合に効果的な対処法の一つです。
また、面取りは特に新しいブレーキパッドを取り付けた際に発生しやすい鳴き音を抑えるために行われることが多く、整備士に依頼することで精度高く行うことができます。
但し、面取りによって得られる効果は永続的なものではないため、定期的にメンテナンスを行い、必要に応じて再面取りを行うことが推奨されます。
外車に良くある現象って本当?
外車に関しては、日本車と比較してブレーキ鳴きが発生しやすい傾向があります。
これは、欧州車などが高い制動力を求めて硬めのブレーキパッドを使用していることが理由の一つです。
硬めのブレーキパッドは高温時に優れた制動力を発揮するため、スポーツ走行などの厳しい条件に適していますが、摩擦が少ない低温時には鳴き音が発生しやすい特徴があります。
そのため、鳴き音が発生しやすいですが、安全性には影響がない場合がほとんどです。
また、外車のブレーキシステムはパフォーマンスを重視して設計されていることが多く、多少の鳴き音は仕方ないとされることもあります。
気になる場合は専門店で相談してみるのが良いでしょう。
専門店での点検により、パッドの種類を変更することで鳴き音を軽減できることもあります。
ブレーキパッドにはさまざまな材質があり、用途に応じて選択することが可能です。
静粛性を求める方には、低鳴きタイプのパッドに交換することも一つの選択肢です。
外車は新車価格が高い車が多いですが、このように新車でも意外と良くあることなのです。
ブレーキパッドの交換費用の目安
ブレーキパッドの交換費用は、車種やディーラーによって異なりますが、一般的には1~2万円程度が目安となります。
また、ブレーキローターの交換費用は5~9万円程度が相場で少し高めとなっています。
ブレーキパッドは摩耗する部品であり、定期的に交換が必要なため、交換費用についての予算を考えておくことが大切です。
さらに、ブレーキローターも長期間使用すると摩耗が進み、交換が必要になることがあります。
ローターの状態が悪くなると、ブレーキ性能が低下するだけでなく、異音や振動の原因となることもあります。
そのため、パッドとローターの両方を適切にメンテナンスすることが、車の安全性を維持するためには欠かせません。
定期的な点検と適切な交換が重要ですので、早めの対応を心がけましょう。
また、車の使用状況や運転スタイルによっても摩耗の度合いは異なるため、特に急ブレーキが多い場合などは、通常よりも早く交換が必要になることもあります。
専門家に相談しながら適切なタイミングでの交換を心がけましょう。
新車でブレーキ鳴きの原因は?まとめ
新車でのブレーキ鳴きは、基本的に問題がない場合が多いですが、状況によっては注意が必要です。
鳴き音が発生する原因はさまざまで、新車の場合はパッドとローターの接触がまだ慣れていないことが理由であることが多いです。
しかし、それでも鳴き音が続いたり、異常に感じる場合には、早めにディーラーで点検を受けることをお勧めします。
また、新車以外の車の場合も、ブレーキ鳴きにはさまざまな原因が考えられるため、自己判断せずに専門知識を持つ整備士に相談するのが安心です。
例えば、ブレーキパッドの摩耗やディスクローターの劣化、さらにはキャリパーの動作不良などが原因となることもあります。
安全運転のためにも、ブレーキに異常を感じた際は迅速に対応しましょう。
ブレーキ鳴きは放置することで、他の部品への負担を増やし、さらなる修理が必要になるリスクが高まる可能性もあります。
日頃の点検と早期の対応が車の寿命を延ばし、安心して運転するための鍵となりますので、少しでも異常を感じたら必ず専門家に確認してもらうようにしましょう。