車を所有している以上、避けて通れないのが「車検」です。
なかでもディーラーでの車検は信頼性が高く、多くの方が選択肢に入れているのではないでしょうか。
しかし、いざ依頼しようとしたとき「何日かかるの？」「もっと早く終わらせる方法はないの？」といった疑問が浮かぶことも少なくありません。
今回は、そんな疑問を解消するために、ディーラー車検にかかる平均的な日数と、できるだけスムーズに車検を終えるためのポイントについて詳しく解説します。
ディーラーで車検を受けると何日かかる？その理由と目安
ディーラー車検の所要日数は業者の中でも比較的長めと言われていますが、ではディーラーに車検を依頼したとすれば、どれくらいかかるのでしょうか？
平均的な日数は2～3日！即日対応は可能？
結論から言えば、ディーラーでの車検にかかる日数は一般的に2日から3日です。
これは他の業者と比べて長めの設定ですが、それには明確な理由があります。
まず、ディーラーでは法定点検だけでなく、独自のチェック項目も含めて入念な点検を行う傾向があります。
そのため、点検から整備までに一定の時間が必要です。
また、予約が混み合っていたり、整備士のスケジュールに余裕がない場合には、さらに日数が延びることもあります。
ただし、近年では一部のディーラーが「スピード車検」や「即日対応」を打ち出していることもあります。
こうしたケースでは、事前に整備が必要な部分の確認を済ませておくことで、1日で完了する場合もあるのです。
ただ即日対応を希望する場合、部品の在庫や混雑状況が影響するため、あらかじめディーラーに確認しておくことが必要です。
長めな理由は質重視のため
ディーラー車検は他の業者と比べて時間がかかる傾向があります。
その理由のひとつは、点検や整備の「質」を重視している点にあります。
多くのディーラーでは、メーカーの厳しい基準に基づいた点検を行っています。
これには法定項目だけでなく、将来的な故障リスクを防ぐための予防整備が含まれることが一般的です。
よって、細かいパーツの摩耗や経年劣化まで丁寧にチェックされるため、時間がかかるのです。
さらに、ディーラーは基本的に純正部品を使うため、必要な部品が手元にない場合は取り寄せ対応となります。
特に輸入車や古いモデルでは、部品が届くまでに数日を要するケースもあります。
このように、ディーラー車検が時間を要するのは「安全性」と「安心感」を重視しているからこそと言えるでしょう。
購入後の面倒な手間を省くため
元々車を購入したお店なため、面倒な説明も不要となるので、手間がかからないという声が大きいと言えます。
わざわざ車検を受ける為に、民間の車検専門店などを探して、となれば探す時間なども必要になってきます。
また、特に高級車などでは、ディーラーに任せた方が安心できる、という考え方をしている人も多くいます。
ちょっと意外と思う人もいるかもしれませんが、ディーラー車検にお任せする人は多いのです。
ちなみに、高齢者ドライバーは、特にこの傾向があるでしょう。
よって、週末などはディーラー車検でお店が混み、車検に時間がかかってしまうというわけです。
整備内容や車種で日数は変わる？個別事情による違い
車検にかかる日数は一律ではなく、整備の内容や車種によっても大きく変わります。
特に年式の古い車や、走行距離が多い車両の場合、劣化部品が多く見つかる傾向にあります。
これらの整備に時間がかかることで、結果的に車検日数が延びる可能性があるのです。
また、ハイブリッド車や輸入車など、構造や部品が特殊な車種では、点検や整備に専門的な知識や部品が必要になります。
前述の通り、ディーラーでは純正部品を使用するため、即日対応が難しい場合もあります。
もし、こうした事情が予想される場合は、事前にディーラーへ相談し、必要な整備や部品の確認をしておくことで、スムーズに進む可能性が高くなります。
車両ごとの特徴を踏まえて事前準備をすることで、余計な日数のロスを防ぐことができるでしょう。
他の業者と比べてどう？ディーラー車検との日数比較
車検にかかる日数は業者によってばらつきがありますので、ディーラーと他の選択肢との違いを詳しく見ていきましょう。
整備工場や車検専門店との所要時間の違い
結論として、整備工場や車検専門店であれば、ディーラーより短時間で車検が完了するケースが多いです。
その理由は、点検の範囲や作業の進め方にあります。
整備工場は「指定工場」と「認定整備工場」の2種類があります。
いずれも国の認可を受けており、検査設備が整っているため、検査場に車を持ち込む手間がかかりません。
効率的に点検を進められることから、1日～2日程度で車検が終わる場合が一般的です。
一方で、車検専門店は車検だけに特化しており、整備内容も最低限に絞られていることが多いため、所要時間はさらに短くなります。
中には30分～1時間程度で完了する店舗も存在します。
こうした業者は点検項目を標準化し、作業フローもマニュアル化されているため、迅速な対応が可能です。
スピードを優先したい方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
ガソリンスタンドやカー用品店との比較
現在では、ガソリンスタンドやカー用品店でも車検を受けることができ、その多くは短時間で完了するサービスを提供しています。
ただし、ここにも一定の違いがあります。
ガソリンスタンドの場合、自社工場を持っている店舗であれば、その場で整備を行うことが可能です。
このとき、2時間から3時間程度で車検が終わることもあります。
しかし、整備設備がないスタンドでは外部工場へ委託されるため、2日～3日ほど要するケースもあります。
カー用品店はというと、店舗内に検査設備が整っている場合は半日ほどで完了することもあります。
イエローハットやオートバックスのような大手店舗では、事前予約をしておくことでスピーディーに対応してもらえることが多いです。
ただ単に早いだけでなく、タイヤやバッテリーなどの部品がその場で購入・交換できるという利便性も兼ね備えている点が特徴です。
その反面、点検の細かさはディーラーに劣ることもあるため、安全面を最重視したい方は注意が必要です。
ユーザー車検は最短30分？自分で通す時間的メリット
時間を最も短縮できる方法として挙げられるのが「ユーザー車検」です。
これは自分自身で車を陸運局に持ち込み、車検を受ける方法です。
最短で30分ほどで検査が完了することもありますが、それはあくまで検査自体の話です。
実際には事前の予約、必要書類の準備、点検整備の手配、当日の移動時間などを考えると、全体では半日程度を見ておく必要があります。
この方法のメリットは、手数料や整備費が不要になるため、時間だけでなく費用も大きく抑えられる点です。
ですが、自動車に関する一定の知識や準備が求められるため、初めての方にとってはハードルが高い方法でもあります。
そのため、時間に余裕があり、かつ自分である程度整備ができる方であれば、ユーザー車検は非常に効率的な選択肢になるでしょう。
ディーラー車検を早く終わらせたい人が知るべきポイント
事前予約をしてスムーズに車検を受ける
車検をスムーズに済ませるためには、事前予約が非常に重要です。
突然の持ち込みでは、整備士の手が空いていなかったり、必要な部品の在庫がなかったりするため、予定通りに終わらない可能性があります。
予約をしておくと、整備側も作業スケジュールを事前に組めるため、効率良く点検や整備が進みます。
さらに、見積もりの段階で必要な整備内容が明確になっていれば、部品の準備もあらかじめ行えるため、当日の作業に無駄が生じません。
ディーラーで人気の高い店舗は、繁忙期になるとすぐに予約が埋まってしまいます。
そうなると、希望日に車検を受けられないだけでなく、車検の満了日を過ぎてしまうリスクもあります。
ですので、車検の有効期限が近づいてきたら、早めに候補となる業者をリストアップし、2～3週間前には連絡を取っておくと安心です。
点検項目を必要最低限に調整する
車検の時間を短縮するもう一つの方法は、点検項目を必要最低限に抑えることです。
とはいえ、法定点検項目は必ず実施する必要があるため、それ以上のオプション整備をどう扱うかがポイントになります。
ディーラーや整備工場では、メーカー推奨の予防整備やサービスメニューが含まれていることがあり、それらが追加されると車検時間が延びるだけでなく費用もかさみます。
このようなケースでは、整備士から提案された作業内容に対して「今回の車検に本当に必要な整備かどうか」を確認してみると良いでしょう。
緊急性が低い部品交換などは、車検後に別途メンテナンスとして行う判断もできます。
よって、見積もり段階で業者としっかり相談し、必要性の高い整備に絞ることで、車検全体の時間と負担を減らすことが可能です。
部品の取り寄せは事前申告がカギ
車検で思わぬ時間がかかってしまう原因のひとつが「部品の取り寄せ」です。
必要な部品がすぐに手に入らない場合、その到着を待つために数日かかることもあります。
そこで有効なのが、あらかじめ故障や不調を感じている部分を車検前に業者へ伝えておくことです。
事前に情報が共有されていれば、業者側は該当の部品をあらかじめ手配しておくことができます。
例えば、ブレーキの異音やエアコンの効きの悪さなど、気になる点がある場合は、車検予約の段階で伝えるようにしましょう。
さらに、過去に交換歴があり、そろそろ寿命が近いと感じている部品があれば、それも伝えておくと安心です。
このように、車検当日に初めて部品交換が必要だと判明するよりも、早い段階で情報を共有しておいた方が、無駄な待ち時間が発生せず、予定通りに車検を終えることができます。
ディーラー車検はいつ予約すべき？タイミングと注意点
1ヶ月前の予約が理想的！混雑シーズンは要注意
車検の予約は、有効期限の1ヶ月前から取るのが最も理想的です。
この時期であれば、各業者のスケジュールにも余裕があり、自分の希望日を選びやすくなります。
たとえば、3月や9月は新車の納車や定期点検が重なるため、特にディーラーは混雑しやすい傾向があります。
この時期に予約が集中すると、希望日に対応してもらえなかったり、通常よりも時間がかかってしまったりする可能性があります。
また、ギリギリになってから予約を試みると、受け入れを断られるケースもあるため注意が必要です。
車検切れを避けるためにも、早めに動いておくことが安全で確実な方法です。
したがって、満了日の1ヶ月前に見積もりと予約を済ませておけば、ゆとりを持って車検を受ける準備ができます。
但し、基本的に以前ディーラーで車検を受けたことがある方は、おそらくディーラーから連絡が来るので、予約に困ることは少ないでしょう。
早すぎると損？車検有効期限のカウントに注意
車検は早めに済ませたいと思う方も多いですが、あまりにも早く受けてしまうと、有効期限に影響が出ることがあります。
車検の有効期限は、原則として「車検を受けた日から2年間」となります。
つまり、満了日よりもかなり早く受けてしまうと、本来使えるはずだった期間が短くなってしまうというわけです。
例えば、満了日が11月10日の車を8月に車検に出してしまうと、次回の車検は2年後の8月となり、3ヶ月分を損する形になります。
ただし、有効期限の1ヶ月以内に受けた場合は、次回の満了日は本来の期限が維持されるため、そこを目安に予約を検討するのが賢明です。
余裕を持ちたい気持ちは理解できますが、早すぎる行動には注意しましょう。
指定工場を使えば早めでも有効期限が変わらない？
結論として、指定整備工場を利用すれば、有効期限の1ヶ月よりも早く車検を受けたとしても、期限を損なわずに済む場合があります。
その理由は、指定工場で発行される「保安基準適合標章」が関係しています。
この標章には15日間の有効期間があり、その間に陸運局で正式な手続きをすれば、満了日は本来の期限を維持したまま更新できるのです。
たとえば、3月1日に指定工場で整備を終え、3月15日までに手続きを行えば、次回の有効期限は通常通り4月1日とされます。
これによって、早めに点検だけを済ませておき、日程調整がしやすくなるというメリットが得られます。
ただし、標章の有効期間を過ぎてしまうと、その効力は失われるため注意が必要です。
この方法を活用する際には、手続きの期限をしっかり守ることが大切です。
ディーラーの車検は何日かかる？まとめ
ディーラーの車検は、一般的に2～3日程度かかるとされています。
これは丁寧な点検と純正部品を使った整備を行うためであり、安全性を重視する人には適した選択です。
ただし、早く終わらせたい場合は、事前予約や点検内容の見直し、部品の事前申告が重要になります。
業者選びによっても所要時間は変わり、車検専門店やユーザー車検であれば当日中に完了することも可能です。
車検のベストな予約時期は有効期限の1ヶ月前が理想で、混雑時期を避ける工夫も必要です。
早すぎる車検は有効期限を損する可能性がありますが、指定工場を使えば例外もあります。
効率よく、かつ安全に車検を終えるには、これらのポイントをしっかり押さえておくことが大切です。
