BMW 7シリーズは、その豪華な装備と優れた走行性能で高級車市場を代表する一台です。
しかし、その魅力的な新車価格に対して、中古車市場では驚くほど安く販売されていることがあります。
なぜ高級車であるBMW 7シリーズがこれほどまでに値崩れするのか、その理由は複数の要因によって成り立っています。
本記事では、BMW 7シリーズの中古車が安くなる背景や、高級車が中古市場でどのように価格が下がるのかについて詳しく解説します。
BMW 7シリーズの中古車が安くなる理由とは?
BMW 7シリーズはその高級感や走行性能で多くの人々に支持されていますが、中古市場においては意外と安く購入できることがあります。
これにはいくつかの理由があります。今回はその背景について詳しく解説します。
高級車が中古市場で値崩れする仕組み
高級車、特にBMWのような高価格帯の車は、新車価格が非常に高いため、経年による価値の減少が大きくなります。
新車購入時に支払った金額に比べ、数年後の中古車市場での価格は大幅に下がることが多いです。
特にBMW 7シリーズのようなモデルでは、購入から3年~5年経つと、価格が半額以下になることもあります。
この理由の一つは、最初に支払った価格が非常に高いため、その後の価格低下の幅が大きくなるからです。
高級車は新車時に大きな割引がないことも多く、その分、価格の下落幅が目立つことが挙げられます。
また、これはBMWに限った話ではありません。
外車全般に共通する特徴として、高級車や輸入車は日本車に比べて中古市場での需要が少ないため、値崩れが早い傾向があります。
さらに、ブランド名やモデル名によっては、人気が一時的に下がることもあり、これが価格の低下に繋がることもあります。
維持費や修理費が高額になるため
中古車は安く購入できる反面、維持費や修理費が高額になるというデメリットもあります。
確かに車両の価格は安くなっていても、その後の維持費が重荷になるため、多くの消費者が手を出しづらくなるのです。
例えばオイル交換や定期点検など、一般的に必要とされるメンテナンスは、BMWのような高級車では国産車に比べてかなり高額になります。
特に、定期点検や消耗品の交換、さらには部品の交換が必要になると、その費用がかなり膨れ上がります。
さらに、故障した場合の修理費用も高くつくことが多いため、その点で敬遠されることもあります。
車両自体の価格が下がっているとはいえ、その後の維持費が思った以上にかかることが、需要の減少に繋がっています。
BMW 7シリーズに限らず、外車は部品の価格が高く、修理のためにディーラーや専門の修理工場に依頼する必要があるため、維持費が高額になるのです。
燃費の悪さと税金の高さ
BMW 7シリーズの特徴的な点は、大排気量エンジンを搭載していることです。
これにより、車両の走行性能や加速力が優れている一方で、燃費が悪く、ガソリン代が高くつくことが避けられません。
特に、排気量の大きいエンジンを搭載しているため、長距離の運転や頻繁に使用する場合は、ガソリン代がかなりの負担となります。
また、重量税や自動車税も高額になります。
大きなエンジンと重い車体が影響し、税金が高くなるため、車を所有するためのコストが膨らんでしまうのです。
加えて、BMW 7シリーズのような車はエコカー減税の対象外となることが多く、購入時の税制優遇を受けることができないことも、維持コストをさらに押し上げる要因となります。
これらの理由から、BMW 7シリーズのような高級車は、購入後の維持費やランニングコストが高く、特に燃費や税金の面で購入者にとって負担となることが多いです。
これが、中古車市場での価格低下の一因となり、多くの消費者が購入をためらう理由の一つです。
リセールバリューが悪いため
BMW 7シリーズはその高級感と優れた性能で多くの人に愛されている一方で、リセールバリュー(再販価値)はあまり高くないという現実があります。
この理由の一つは、BMW 7シリーズが特定の市場でのみ需要が高いため、中古車市場では買い手が限られてしまう点です。
高級セダンの需要は年々減少しており、特にBMW 7シリーズのようなフラッグシップモデルはその影響を大きく受けています。
同じ高級車であっても、SUV(X5やX7)などは人気が高いため、リセールバリューが良く、中古車市場でも高値で取引されやすいです。
その為、セダンタイプのBMW 7シリーズは、最近のトレンドとしてSUV人気が高まる中でどうしても需要が少なくなりがちです。
このような状況下では、7シリーズを購入する際にリセールを考慮すると、他の車種に比べて購入のメリットが少ないと感じる人が多くなります。
その結果、BMW 7シリーズは新車時の価格の割に中古市場での価格低下が大きく、リセールバリューが悪いことが中古車購入をためらわせる要因となります。
故障リスクが高い?電装系トラブル
BMW 7シリーズは最新のテクノロジーを搭載した高性能車であるため、その分、故障リスクが高いという欠点もあります。
特に、電子制御系のシステムに問題が生じることが多く、これが修理費用を高額にしてしまいます。
例えば、エアサスペンションやiDriveシステムなどのトラブルは7シリーズにおいてよく見られます。
これらのシステムは車両の快適性や運転性能を大きく向上させる反面、故障すると修理にかかる費用が高額になります。
iDriveシステムは、車両の全ての電子機器を統括する中核的なシステムであるため、万が一の故障時には診断と修理が非常に複雑で高価になりがちです。
エアサスペンションもその一例で、特に高級車に多く搭載されているこのシステムは、故障が発生すると大きな修理費がかかります。
これにより、BMW 7シリーズの中古車を購入する際に故障リスクを心配する人が多く、その結果、購入をためらう人もいます。
セダン型の需要の低下によるもの
上述の通り、最近の車市場ではSUVの人気が急増しており、セダン型の車両はその需要が減少しています。
BMW 7シリーズのような高級セダンは、SUVの人気に押されて中古市場でも需要が低迷しています。
SUVはその実用性や高い走行性能、さらに視界の良さや車内空間の広さなどが重視され、消費者の関心が集まっています。
一方、セダン型はそのスタイルや性能が求められるものの、現在ではSUVと比べると利用シーンが限定されるため、人気が落ちてしまいました。
この流れがBMW 7シリーズの中古市場にも影響を及ぼし、他車種と競争する中で価格が下がりやすくなっています。
セダン型の需要の低下は、BMW 7シリーズの中古車の価格低下に大きな影響を与えているのです。
このように、SUVの人気が高まる中でセダン型のBMW 7シリーズは価格が低くなりやすく、そのため、購入後の価値が維持されにくいという現象が起きています。
BMW 7シリーズの中古車はお買い得なのか?
では、BMW 7シリーズの中古車は本当にお買い得なのでしょうか?
高級車が欲しい方におすすめ!
BMW 7シリーズの中古車は、高級車を手に入れたいと考えている方に向いています。
特に、短期間での乗り換えを考えている人にとっては、非常に魅力的な選択肢です。
新車価格が高額であるのに対して、数年後の中古車市場での価格は大きく下がる傾向です。
これにより、中古だと安い金額で高級車を購入することができます。
ただし、長期間所有する予定の方にとっては、BMW 7シリーズは維持費が高額であることを覚悟しておく必要があります。
オイル交換や部品交換、修理など、車両のメンテナンスにはかなりのコストがかかるため、長期的に維持するには覚悟が必要です。
しかし、維持費が高くても、それを差し引いても高級車ならではの性能や快適性を楽しみたいという方には最適です。
年間維持費はどのくらい?
維持費はやはり高級車ということで、他の車に比べるとやや高額になります。
まず、車両価格が高いため、税金や保険料も相応に高くなります。
例えば、BMW 7シリーズのような大排気量エンジンを搭載した車両では、年間の自動車税が10万円以上かかることが一般的です。
また、重量税や車検の費用も加わり、維持費がかさむことが予想されます。
さらに、外車のためオイル交換や定期的な点検費用、部品交換の費用も高めです。
基本的なメンテナンスでも、BMWの場合は国産車よりも高い価格帯が設定されていることが多いため、年間で10万円以上の維持費がかかることも珍しくありません。
また、燃費に関しても、BMW 7シリーズは大排気量エンジンを搭載しているため、燃費が悪く、長距離を走行する場合にはガソリン代がかかることを考慮する必要があります。
年間の維持費は、車両の使用頻度や走行距離にもよりますが、全体的には年間30万円以上を見込んでおくと良いでしょう。
お得に購入できるタイミングはいつ?
BMW 7シリーズの中古車をお得に購入するためには、購入タイミングが重要です。
狙い目としては、新車登録から数年が経過したモデルで、一般的に約3年~5年経過した車両は価格が大きく下がることが多いです。
このタイミングで購入することで、大幅な価格割引を受けることができる場合があります。
また、車両の価格が大きく下がるタイミングは、ディーラーや販売店が在庫を処分する時期に集中します。
例えば、決算期の3月や9月などには、販売店が在庫をさばくために価格を引き下げることがあります。
このような時期に合わせて購入すれば、さらにお得にBMW 7シリーズを手に入れることができるでしょう。
実際安い中古車ならどのくらいの値段で買える?
BMW 7シリーズの中古車は、その高級感を享受できる割に比較的手頃な価格で手に入ることがあります。
特に、数年落ちのモデルや走行距離が少ない車両は、非常にお得な価格で提供されています。
例えば、2020年モデルのBMW 7シリーズであれば、状態やオプションに応じて、600万円台から購入できることが多いです。
さらに、価格がさらに低いモデルも見つけることができます。
特に人気の少ないカラーやオプションのないシンプルな車両は、500万円以下で購入できることもあります。
また、初期型や過去のモデルでは、さらに手頃な価格で購入可能です。
2006年ぐらいのモデルでは、約55万円~販売されていることもあります。
しかし、安い価格帯で購入できる一方で、車両の年式や状態には注意が必要です。
修理歴やメンテナンスの履歴をしっかり確認した上で、選ぶことをおすすめします。
全体的に見て、BMW 7シリーズの中古車は高級車を手軽に楽しむための良い選択肢となることが多いです。
BMW 7シリーズの中古車購入時に注意すべきポイント
壊れやすいといわれている年式を避ける
中古車購入時には、特定の年式の車両が壊れやすいということを知っておくことが大切です。
BMW 7シリーズは最新のテクノロジーを搭載していますが、特に過去のモデルでは、電子機器のトラブルやエンジン周りの故障が発生しやすいことがあります。
中でも2002年~2009年ぐらいの中古車では、電子制御系の故障が多く見られることもあり、このような年式の車両を選んでしまうと修理費が予想以上にかかることがあります。
他にも、iDriveシステムやエアサスペンションの故障が頻繁に報告されており、これらの部品が修理されていない場合、購入後すぐに修理が必要になることもあります。
新しい年式のモデルは、これらの問題が改善されていることが多いため、できるだけ後期型を選ぶことが、長期的に見てリスクを減らすためには有効です。
購入前に必ず整備記録を確認する
中古車を購入する際、整備記録の確認は非常に重要です。
整備記録がしっかりと残っている車両であれば、その後の修理費用や維持費を予測しやすく、安心して購入することができます。
整備記録には、定期的なメンテナンスや部品交換がどのように行われてきたかが記載されており、特に重要なのは、車両の主要部分に関する点検や修理履歴です。
故障履歴がある場合、その内容を確認することは不可欠です。
過去に重大な故障があった場合、修理がきちんと行われているか、問題が再発する可能性があるかを把握することができます。
たとえば、エンジンやトランスミッション、電子機器に関する修理歴があれば、それがどの程度の範囲で行われたのか、交換された部品が正規品かどうかなどを確認することが重要です。
整備記録が不十分な場合は、その車両の購入を避けた方が良いでしょう。
このように、整備記録は車両の健康状態を把握するために欠かせない資料です。
購入前にしっかり確認し、安心して購入できる車を選ぶようにしましょう。
保証のある車両を選ぶ
BMW 7シリーズの中古車購入時には、できるだけ保証のある車両を選ぶことを強くおすすめします。
特にディーラー認定中古車であれば、一定の品質基準を満たしているため、購入後に起こり得るトラブルに対して安心感があります。
ディーラー認定中古車は、徹底的な点検と整備が行われており、車両の状態が良好であることが保証されています。
これにより、購入後の急な修理や不具合のリスクが大幅に減少します。
BMWディーラーが提供する認定中古車には、通常、一定期間の保証が付帯されています。
この保証は、エンジンやトランスミッション、電気系統といった主要な部分に適用されることが多いため、特に高額な修理が必要になる可能性を低減することができます。
ディーラー認定中古車を選ぶことで、修理費用を心配せずに車を楽しむことができるのです。
もしも保証がついていない中古車を選ぶ場合、購入後のリスクが高まることを考慮する必要があります。
消耗品の状態を確認し試乗する
中古車を購入する際には、消耗品の状態をしっかり確認することが非常に重要です。
BMW 7シリーズは高性能な車両であり、その性能を発揮するためには、エアサスペンション、ブレーキ、タイヤといった重要な消耗品の状態が良好でなければなりません。
これらの部品が劣化している場合、快適な走行性能を損なうだけでなく、安全性にも問題が生じることがあります。
エアサスペンションの状態は特に重要です。
BMW 7シリーズは、快適な乗り心地を提供するためにエアサスペンションを搭載していることが多いですが、これが劣化すると車両の乗り心地が悪くなり、修理に高額な費用がかかる可能性があります。
次に、ブレーキやタイヤの状態もチェックしましょう。
ブレーキパッドやディスクに摩耗が見られる場合、交換が必要です。
また、タイヤの溝が浅くなっている場合や異常な摩耗が見られる場合、すぐに交換が必要になります。
購入前には、これらの消耗品を実際に確認することをおすすめします。試乗を通じて、車両の挙動や乗り心地を自分で体感することが重要です。
試乗中にブレーキの効きやサスペンションの動きに違和感を感じた場合、状態が悪い可能性があるため、慎重に検討することが求められます。
BMW 7シリーズの中古が安い理由とは?まとめ
BMW 7シリーズの中古車は、その高級感や走行性能から非常に魅力的ですが、購入時にはいくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
中古車が安くなる理由は、主に高級車特有の価値減少にあります。
新車価格が高額なため、数年経過すると価格が急激に下がります。
特に3年~5年落ちのモデルは、半額以下で取引されることもあります。
また、維持費や修理費が高く、故障リスクが高いことも需要を減少させ、価格低下を加速させる要因です。
購入の際は年式や整備記録の確認は欠かせません。
保証付きのディーラー認定中古車を選ぶことで、購入後のトラブルを避けることができます。
さらに、消耗品の状態を確認し、実際に試乗して車両の挙動をチェックすることが大切です。
これらを踏まえて選ぶことで、安心してBMW 7シリーズの魅力を楽しむことができ、長期的に満足のいくカーライフを送れるでしょう。