新車を購入した後、何らかの理由で1年以内に売却を検討することがあるかもしれません。
場合によっては、1ヵ月などで売却したいと考えている方もいるでしょう。
しかし、その際に「ペナルティを受けて新車が買えなくなる」という噂があるのをご存じでしょうか?
とは言っても、どのようなペナルティを受けるのか分かりませんよね。
この記事では、新車を1年以内に売却する際にどのようなペナルティが考えられるのか、また、どうしても売却したい場合に取るべき対処法について詳しく解説していきます。
なぜ新車を1年以内に売却するとペナルティを受ける?
納車後、即売却する行為を俗に「新車飛ばし」と呼ばれています。
勘の良い方ならもうお気づきとは思いますが、新車飛ばしという行為は「転売して儲ける」行為となるのです。
転売目的の購入を防ぐため
人気の高い車種では、安く新車を購入し、希少価値が高い状態で市場に再販売することで利益を得ることを狙った「転売」が問題視されています。
特に、トヨタ系の車種で多く、アルファードやランドクルーザーといった車種は非常に人気が高く、タイミングによっては納車まで半年以上となっている時があるのです。
このような市場になかなか出回らないような人気車種は、需要と供給のバランスによって自然と価格が上昇し、中古車市場ではプレミア価格になることも少なくありません。
これにより、本来車を購入したい正当な消費者が入手できなくなる事態が発生するため、メーカーやディーラーは転売防止策として厳しい規制を設けることがあります。
メーカーから提携解除のリスクがある
また、購入者だけではなくサブディーラーがメーカーから提携を解除されるリスクもあります。
サブディーラーは、正規ディーラーを通じて販売することで、メーカーからの信頼を得ています。
しかし、転売目的の購入や頻繁な早期売却が行われると、メーカー側から「サブディーラーが転売を助長している」と見なされ、信頼関係が崩れる可能性があります。
最悪の場合、メーカーとの取引が停止され、サブディーラーとしての立場を失うリスクがあります。
そのため、サブディーラー側も購入者に対して厳しい規制を設けることがあり、早期売却を防ぐためにペナルティが課されるケースが出てくるのです。
新車を1年以内に売却したらどんなペナルティを受ける?
新車を1年以内に売却した場合、購入者にはいくつかのペナルティが科される可能性があります。
最も厳しいケースでは、次回以降、新車を購入することが制限される、もしくは完全に禁止されることがあります。
特に、ディーラー間やグループ会社間で顧客情報が共有されることが多いため、一度ペナルティを受けると他の店舗でも新車を購入できなくなる可能性があります。
しかし、すべてのケースでペナルティが科されるわけではなく、ディーラーとの信頼関係や購入時の状況によっては、早期売却が問題視されない場合もあります。
そのため、事前にディーラーとの関係性や規定を確認することが重要です。
人気車種は誓約書にサインする場合が多い
人気の高い車種、特にアルファードやヴェルファイア、ランドクルーザーなどを購入する際には、転売を防ぐための誓約書にサインを求められることが多いです。
この誓約書には、転売や早期売却に対する制約が明記されている場合があります。
サインをすることで、購入者は一定期間、その車を保持し続けることを約束することになります。
もし、誓約書に罰則規定が明記されていた場合、違反するとペナルティが科される可能性があります。
ただし、誓約書に具体的な罰則が記載されていない場合、売却してもペナルティを受けないケースもあるため、購入時には契約内容をしっかり確認することが大切です。
そもそも売却する行為ってバレるの?
新車を1年以内に売却する行為は、ほとんどの場合でバレる可能性が高いです。
基本的に買取業者は、車を買い取った後にオークションに出品することが多いです。
オークションでは、出品した車の情報が簡単に分かるようになっており、車体番号(VIN)も判別できるようになっています。
この車体番号から、購入時の情報が容易に追跡できるため、メーカーやディーラーは短期間での売却を把握できる仕組みになっています。
さらに、オークションや中古車市場では、一定期間内に売却された車に関して、転売目的であると疑われるケースが多いため、ディーラー間で情報が共有されることもあります。
そのため、短期間での売却はリスクが伴う行為であり、注意が必要です。
新車を1年以内に売却したい場合の対処法
購入した販売店に相談する
どうしても新車を1年以内に売却しなければならない場合は、まず購入した販売店に相談するのが賢明です。
ディーラーによっては、状況に応じて柔軟に対応してくれることもあり、転売目的ではない正当な理由であれば、次回の購入に影響が出ないような方法を提案してくれる場合もあります。
例えば、買い替えを検討している場合や急な生活環境の変化で車が不要になった場合など、正直に事情を説明することで、ペナルティを回避できる可能性があります。
また、ディーラーが車の買取を行う場合もあり、その際はオークションに出すよりもスムーズに売却できることがあります。
但し、ディーラーの下取りは安く査定される可能性もあるので、なかなか難しい問題となりそうです。
数か月程度乗ってから売る
新車飛ばしというのは、即売却することですので、納車してから1ヵ月以内などになる場合がほとんどです。
そこで、少なくとも数か月程度は乗ってから売却することが一つの対処法となります。
車を購入してすぐに売却すると、転売目的とみなされやすくペナルティを受けるリスクが高まります。
しかし、数か月程度使用してから売却すれば、転売目的ではないと見なされる可能性がやや高まります。
ただし、それでもディーラーによっては早期売却が問題視されることがあるため、ペナルティを完全に避けられるわけではありません。
特に、人気車種や転売リスクの高い車の場合、どのタイミングであってもディーラーやメーカーが警戒することがあります。
誓約書を書かない場合は問題ない
新車購入時に転売禁止の誓約書を書かなかった場合は、基本的に売却してもペナルティを受けません。
人気車種や限定モデルの場合、ディーラーは転売を防ぐために誓約書のサインを求めることがありますが、そのような書類に署名していない場合、法的な制約はありません。
そのため、誓約書がない車を購入した場合、早期売却を行っても大きな問題にはならないケースが多いです。
ですので、短期間で売却する場合は、事前に規約や条件を確認しておくことが大切です。
ローンが残っている場合でも売れる?
新車のローンが残っている場合でも、基本的には売却することが可能です。
ただし、ローンを完済していない場合、売却後もローンの支払い義務は残ります。
通常、売却時の買取価格が残債を上回っている場合は、その差額を受け取ることができますが、もし買取価格がローン残債に届かない場合は、不足分を自分で補う必要があります。
売却時には、ローンの残高や買取価格をしっかりと確認し、どのように支払いが行われるかを販売店や買取業者に相談することが重要です。
ディーラーや金融機関によっては、売却時にローンを一括精算する手続きをサポートしてくれることもありますので、その点も確認しておくと安心です。
また、所有者がローンを組んでいる会社の名義になっている場合は、売却することは難しいので所有者が貴方名義かどうか一度確認しておきましょう。
新車を1年以内に売るメリットは?
買取価格が高い
新車を購入してからすぐに手放す場合、買取価格が非常に高くなることがメリットの一つです。
特に人気車種や納車までに時間がかかる車種、例えばランドクルーザーなどは、中古市場でも需要が高く場合によっては新車購入時よりも高値で売却できることもあります。
新車同様のコンディションであれば、走行距離が少ないことや最新のモデルである点がプラスに働き、プレミア価格がつくことも珍しくありません。
ただし、一般的な車種では新車から時間が経過すると価格が下がることが多いため、どのタイミングで売却するかを見極めることが大切です。
車検などの費用がかからない
通常、新車は購入から3年目に初回の車検を迎えるため、1年以内に売却すればその車検費用を支払う必要がありません。
また、定期的なメンテナンスや点検費用、タイヤやブレーキパッドの交換なども新車ではほとんど必要ないため、維持費が抑えられる点が大きな魅力です。
さらに、新車の初年度は自動車税も割安であるため、トータルのコストパフォーマンスが高くなります。
売却のタイミングとしても、車がまだ新しいため買取価格が高く設定されることが多く、結果的に費用を節約しつつ高値で売却できる可能性が高まるのです。
新車を1年以内の売却でペナルティまとめ
新車を1年以内に売却すると、転売目的と見なされるリスクがあり、ペナルティを受ける可能性があります。
特に人気車種の場合、ディーラーが転売防止のための誓約書にサインを求めることがあり、それに違反すると今後新車を購入できなくなることもあります。
また、ディーラー間やグループ会社で情報が共有されるため、一度ペナルティを受けると他の店舗でも影響を受けることが考えられます。
ただし、どうしても売却したい場合は、購入したディーラーに相談することで、柔軟な対応が受けられる場合もあります。
転売目的ではなく、正当な理由であればペナルティを回避できる可能性もあるため、早期売却を検討する際にはディーラーとよく相談することが重要です。